THE SUTRA MUSEUM

美術館について

1994年(平成六年)、念願がかない奈良西大寺の地に「岡澤禎華写経美術館」を開設いたしました。

 紺紙に金泥書きの装飾写経に興味を持ち、作品を作りはじめたから四十年以上の月日が経ちました。その間に作の数も相当数となり、一九八三年に奈良、一九八七年に大阪、一九八八年と二〇〇八年に東京での個展を開催して、多数の方々に観ていただき、大変好評を博しました。
これを機会にかねてから出版したいと思っていた写経の初心者向け技法入門書「写経独習入門」(一九八九年刊)と、中級者向け技法書「写経中級講座」(一九九二年刊)を日貿出版社から刊行し、さらに続いて「岡澤禎華写経作品集」(一九八九年刊)を同出版社から出版していただき、全国の書店に並べることが出来ました。

岡澤禎華写経美術館 外観

岡澤禎華写経美術館 展示室

 これによって全国の人々に私の写経作品を観ていただけるチャンスが生まれ、経典というものが、「般若心経」を写経用紙に書いてお寺に納める納経写経だけでなく、紺紙に金銀泥で書かれた美術作品として美しく荘厳され、一幅の軸や額に仕立て上げることが出来るものでもあるということを理解していただくことが出来ました。

 そして、印刷物である本で私の作品をご覧いただき、これほど美しいものならば、実物はどんなに素晴らしいものか、是非実際の作品を観たいと希望される方が、全国から私の家を訪ねて来られるようになりました。

そこで思い切って、自宅の庭に写経作品を展示できることが出来る美術館を建てました。

 館内には私が書いた紺紙金泥書きの作品、巻子、額、軸等が壁面いっぱいにかけてありますので、訪ねて来られた方は皆様一同に素晴らしい、極楽浄土へ来たようだ。よくこれだけ沢山の作品を一人の人間が書くことが出来たものだと感心され、作品が一字一字毛筆で書かれているのを見て感激した、と満足していただいております。

 美術館の建立に当たっては、私の長女である山口美知にずいぶん励まされ、世話になりました。館の運営にもしも必要があるかもしれないと、博物館学芸員の資格も取ってくれました。美知自身も私の写経を理解するために写経の知識、字の練習作品の鑑賞の仕方、作り方などを勉強して、「般若心経」等の作品作りに励みました。家族の協力があってこそ、このように立派な美術館を建てることが出来たと心より感謝しております。また、私の無理難題の注文を快く承諾し、工夫をして一生懸命建設作業をして下さった工務店の方々に御礼申し上げます。

岡澤禎華写経美術館 展示室

 私の生涯をかけて作り上げた作品の数々を一人でも多くの人々に観ていただけますことを希望してやみません。