THE SUTRA MUSEUM

作品紹介

楷書大字・摩訶般若波羅蜜多心経

  • 楷書大字・摩訶般若波羅蜜多心経
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作品解説

天地一八五×左右一八八センチ。

数ある経典の中で、最も日本人に馴染み深く、尊く、有難いというのが『般若心経』です。『妙法蓮華経』とならんで、古来より多くの人に読み親しまれていて、お寺に納経する写経ではこの経典を写すことが最も多く行われています。法華系や浄土系では比較的読まれることが少ないのですが、広く宗派を問わず、ほとんどの仏教徒がこの経典を重んじて読誦しています。
『般若心経』は正式名を『般若波羅蜜多心経』といいます。梵字による最古の写本はインドや他のアジア諸国ではなく、奈良・法隆寺に所蔵される八世紀後半(伝六〇九年請来)の写本とされる貝葉本で、漢訳経典よりも時代が下ります。現在我が国で読誦されているものは、玄奘三蔵が西暦六四九年に漢訳したものですが、これとは別に同じく玄奘三蔵の訳による六百巻の『大般若波羅蜜多経(大般若経)』があり、『般若心経』はこの『大般若波羅蜜多経』のエッセンスを取り出して、その前後に文句(陀羅尼)を付加して二七二文字に凝縮したものとされています。短い一経の中に、観自在菩薩を中心として、舎利弗を相手に般若皆空の教えが説かれています。「般若」とは悟りの世界を表す仏の智慧であり、仏教の真髄を解き明かしているというのが定説ですが、これには異論もあります。

般若心経(玄奘三蔵訳)
観自在菩薩、行深般若波羅蜜多時
照見五蘊皆空、度一切苦厄、舎利子
色不異空、空不異色、色即是空
空即是色、受想行識、亦復如是
舎利子、是諸法空相、不生不滅
不垢不浄、不増不減、是故空中
無色無受想行識、無眼耳鼻舌身意
無色聲香味觸法、無眼界乃至無意識界
無無明、亦無無明盡、乃至無老死
亦無老死盡、無苦集滅道、無智亦無得
以無所得故、菩提薩埵
依般若波羅蜜多故、心無罣礙
無罣礙故、無有恐怖
遠離一切顚倒夢想
究竟涅槃、三世諸仏
依般若波羅蜜多故
得阿耨多羅三藐三菩提
故知般若波羅蜜多
是大神咒、是大明咒、是無上咒
是無等等咒、能除一切苦、真実不虚
故説般若波羅蜜多咒、即節呪曰
掲諦掲諦、波羅掲諦、波羅僧掲諦
菩提薩婆訶
般若心経

楷書は一画一画を続けずに書く漢字の書体で、漢代の代表的な書体であった隷書体に代わって、南北朝から隋唐にかけて標準書体となりました。奈良時代からの写経所ではこの書体を基本的な書体として使用しました。
本作品は屏風に大字で『般若心経』を書いたもので、次の隷書体の作品と同じ仕様で書きました。

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